石けんはやさしくない。




私は敏感肌だから、せっけんに変えました。

というような意見をよく見ます。


ここには大きな間違いがあります。

「石けんは合成界面活性剤じゃないから頭皮や髪にいい」


↑こんな意見もよく見ます。


いえいえ、

石けんは立派な合成界面活性剤

です。

■せっけんは脂肪酸(いわゆる油。)と水酸化Naや水酸化K(アルカリ)を混ぜて作られます。

水酸化Na(ナトリウム),K(カリウム)というのは強アルカリ性で、劇物指定されています。

それでも、これは界面活性剤のない安全な洗浄剤と言えるでしょうか。

それこそ合成して作られた界面活性剤ではないですか?

そして、石けん(カリ石けん素地)はアルカリ性です。

理由は、アルカリ性でなければ泡立つことも、洗うこともできない性質だから。

頭皮は本来弱酸性であるのに、アルカリ性のせっけんで洗ったらどうでしょう。

いいわけがないのです。 アルカリにさらすことで肌が柔軟になったりする効果はありますが、弱った頭皮などには絶対向いてません。

■髪のキューティクルはアルカリに触れると開いてしまい、内部のアミノ酸などが流出してしまいます。


実際に、興味深いデータを見てみましょう。

※薬事日報社「化粧品の有用性」より
 
肌への残存性
石けん★★★★★★
ラウリル硫酸Na ★★★★★
ラウリルリン酸Na ★★★
ココイルイセチオン酸Na ★★
ココイルメチルタウリンNa
ラウロイルメチルアラニンNa
NML(肌の天然保湿因子)の溶出量(素材別)
石けん ★★★★★★
ラウリルリン酸Na ★★★
NML(肌の天然保湿因子)の溶出量(pHの違い)
pH2 ★★★★
pH4 ★★
pH6
pH8 ★★
pH10 ★★★
pH12 ★★★★★★

いかがでしょうか。

実は、肌への残存性はラウリル硫酸Naより石けんの方が多いです。

アミノ酸系界面活性剤の低刺激性も際立っています。

NMLとは肌に元々ある保湿成分のことで、石けんによる洗浄の場合、 高いNML溶出が起こっていることがわかります。

また、pHの違いでもわかるように、弱酸性(pH4-6)ではいかに肌への刺激が少なくなるかが読み取れます。

逆にアルカリの石けんがいかに肌への負担を増やしているかは言うまでもないでしょう。

事実を素直に直視すれば、石けんは欠陥だらけの洗剤にすぎない

と見てしかるべきです。

さっぱりした仕上がりになるのは、それほど潤いを奪いやすい性質によるものです。

他の洗浄剤に比べ、洗浄性がすぐになくなるから安全、という声もありますが、肌に残ったアルカリは中和されるまで7時間前後を要します。
この問題を見て見ぬふりするべきではありません。

他の洗浄剤に比べ、分量をたくさん使わないと洗えない石けんは、海水を汚染し赤潮の原因となりやすいのです。


むかしは価値があったからといっても、より良い選択肢がある現在は状況が違います。

様々なデータを見て、より良くあるための製品を選ぶ権利が誰にもあるのです。

その石けん、やさしくないですよ。

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