■茶のしずく石鹸は何が悪かったのか
アレルギー症状を500人近い消費者に発症させた「茶のしずく石鹸」。
原因は「加水分解コムギタンパク」によるコムギアレルギー、と言われているが、
なぜこれほど問題になったのか。
メーカーの担当者は「予期せぬ事態」のようなコメントをしていたが、
解析ドットコムの読者さんは、このサイトにずっと以前から「石鹸で洗うといいのか?」というコラムがあったことをご存じだろう。
予期せぬ事態どころか、石鹸の特性を知っていれば素人でも予期できる問題だ。
石鹸の問題点をおさらいすると、
1. ふつう、アルカリ性でなければ機能しない。
2. 純石鹸で洗った肌が弱酸性に戻るのに
4時間以上かかることがわかっている。
3. 肌はアルカリ下では「セラミド」を産出できない。
また、NML(天然保湿因子)がアルカリ下では溶出してしまう。
↑肌を守るものがなくなるということ。
4. 石鹸カスの発生。
石鹸の脂肪分と水道水のミネラルが結合して
不溶性の金属石鹸が発生してしまう。
ミネラル分の多い水道水で全く泡立たないのはこのため。
5. 消毒用として使われているほど、
殺菌効果があるので肌に刺激的な面がある。
と、このようなデメリットがあります。
特に今回「茶のしずく」の件では、
3. の肌バリヤを日々浸食して、アレルゲンの侵入を容易にしたことが患者を増やした原因と考えて自然です。
なお、これは「茶のしずく石鹸」だけの問題ではなく、まして「コムギ」成分が悪いわけでもなく、
石鹸ユーザー全員が危ないのです。
アレルギーの発症は、、
ずばり「バリヤがない」ために免疫が過剰に守ろうと暴走してしまう状態と考えられます。
あなたが石鹸で肌を弱らせ続けていけば、
コムギでもコラーゲンでもソバでもカニでも、体は異物と捉えて攻撃します。
大事なことは、肌の自然なバリヤを無くさないことです。
石鹸は肌を変化させすぎます。
そういう意味ではラウリル硫酸Naの方がまだマシと言えなくもないくらいです。
肌が本来作り出しているバリヤ機能を取っ払って、効きもしない化粧水をかけることが正しい手入れでしょうか。
今回の問題を期に、髪や肌に最適な化粧品は何か、考え直しませんか?