シャンプー解析ドットコラム
シャンプーで「悪い成分」とは何か
以上のことから、
肌に悪い成分は何か、をまとめてみると・・・・
1. 製品がアルカリ性である。
特定の目的(パーマ液1液、角質を柔軟にしたい等)以外では、通常アルカリ性の製品は悪影響。
成分ではなく、製品です。全体がアルカリ性であることが悪影響。
2. 高い脱脂力のある成分の濃度が高い。
例えばラウレス硫酸Naが高配合で、そのデメリットを緩和する処方がされていない場合はひどくパサパサの肌と髪になるでしょう。
しかし、ラウレス硫酸Naがほんの微量(例えば泡立ちをほんの少しよくしたい、乳化目的)である場合は仕上がりにさほど影響を与えません。
パラベンに代表される防腐剤も、高濃度では当然肌によくありませんが、
上限量が規定されているので安全性が確認されている範囲で、きちんと防腐という役割を果たしています。
このように、人間にとって悪影響かどうかは「濃度」にも大きく依存します。
3. ただし、洗い流さない製品には微量でもアウト。
シャンプーは洗い流す前提となっていますので、
陰イオン界面活性剤(ラウレス硫酸Naのような汚れを落とす系)が活躍しますが、
洗い流さない製品にイオン性の界面活性剤は刺激性がずっと作用してしまうのでNG。
汚れを落とす、という性質がずっと付着しているのですから当然です。
逆に陽イオン界面活性剤(柔軟剤やリンスのような成分)もNGです。
刺激性で言えば、陽イオン界面活性剤の方が上。
髪がしなやかになっても、肌は荒れやすくなったり、かゆみが生じたりが高い確率で起こります。
4. 低分子量で、いわゆる経費毒性がある。
分子量が小さいために、肌から吸収されて悪影響を来すパターンもあります。
前述のラウリル硫酸Naのような小さな界面活性剤は、肌のより内部へと入りやすいですし、
ビタミンAのように脂溶性ビタミンは脂肪に蓄積してしまうので、あまり多くを吸収させるべきではありません。
逆に、油溶性ビタミンCのようにわざと浸透させて肌の内部で抗酸化力を働かせるDDS(ドラッグデリバリーシステム)を活用する成分も登場していますので、
浸透させるべきか、させないべきかも考えて成分を選ぶべきでしょう。
5. 生分解性
これは直接肌に関係しませんが、
環境中で速やかに分解されない成分は「環境汚染」の原因となります。
環境に悪影響を及ぼす界面活性剤は現在あまり使われていませんが、
例えば石鹸とミネラル分が結合してできる「金属石鹸」や、リンは「富栄養化」を招き、
アオコの大発生による海水の無酸素状態など、悪影響は無視できません。
また、分解されない成分による環境ホルモン問題も懸念されていますので、
排水の浄化や、速やかに生分解される成分が今後理想的となるでしょう。
肌に良いだけでなく、環境にも優しい成分が求められます。